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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑨

わたしは、正直目の前で何が起きているのか分からなかった。
ただ1つだけ分かるのは、ネクロマンサーとコマイヌにとってかなりの異常事態が起きているということ。
2人がここまで驚いているのなら、かなりの状況に違いない。
一体2人は何にそんな驚いているのだろうか。
―まさか。
いや、さすがにそれは考えすぎかもしれない…でも。
もしやと思って、わたしは美蔵の方を見た。
「ねぇ美蔵…」
そう言いかけた時、ほんの一瞬だけ美蔵と目が合った。
―次の瞬間、不意に目の前が真っ暗になった。
意識を失ったとかそんなのじゃない、意識を保ったまま、周りが何も見えなくなったのだ。
その直後、何も見えない真っ暗な世界で声が聞こえた。
「―ずらかれっ!!」
え?、と声が聞こえた方に目を向けた数秒後、またさっきのように周りが見えるようになった、が。

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