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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑩

―自分の周りに誰もいない。
隣にいるはずの美蔵も、目の前にいるはずのあの2人も。
痕跡一つ残さずいなくなっている。
「…どうして」
思わずわたしは呟いた。
ついさっきまで、確かに彼らはここにいたのだ。
なのにどうして―?
それに、なぜあの時視界が真っ暗になったのだろう。
今は真っ昼間だし、普通突然目の前が真っ暗になるなんてちょっとおかしいし…
「…まさか」
わたしは色々考えているうちに、ある1つの可能性に辿り着いてしまった。
「でも…」
いや、さすがにそんなハズはない、とわたしは首を横に振った。
その可能性も十分にあるけどちょっとありえない。
でもやっぱり…
とりあえず、わたしは向かっている途中だった駄菓子屋へ向けてまた歩き出した。
多分そこに行けば、分かるかもしれないから―

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