隔週水曜 午後8時
ご飯とか食べながらふたりで歩く
缶チューハイ4本買ってうちに帰って
11時過ぎにベッドの上の僕の上で
君が2本目のプルタブを持ち上げたとき
思ったんだ もう終わりだって
だから君が缶に口をつける前に
僕は唇に吸い付いた
味なんかよくわからなかった
お酒のせいか頭はぼーっとしていたし
なにより最後とわかってしまったから
味なんかよくわかんなかったから
ただ 下唇の感触を忘れないように
静かに噛んで飲み込んだ
僕が唇を離すと君はきょとんとしながら
中途半端にプルタブのあがった缶をおき
にっこり笑って両手を広げた
「おいで」
「抱きしめたついでにキスして」
最初で最後のおねがいだった