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世にも不思議な人々㉙ 乙鳥の世界その3

鈴木「お前、昔っからそのケはあったけどよー、やっぱりだったか……」
僕「いや違うってば。やめてそういうの」
鈴木「まあまあ、たとえお前がロリコンだったとしても俺は親友のままでいてやるからよ」
僕「だーかーらー!違うってのに!」
などと鈴木の奴としばらく喋ったところで、僕はそろそろ本題に戻ることにした。
僕「そうだ。早く時間動かせよ。ずっと止まりっぱなしってのも不便だし」
鈴木「ああ、それなんだけどな………」
やけに気まずそうな鈴木。
僕「どうした?……あ、お前、まさか……」
鈴木「まさか、何?おにーさんに言ってみ?多分当たってるから」
僕「いやまさかそんな……。だってお前、自分で時間止めたんだろ?まさか動かせないなんて…」
鈴木「ビンゴ」
僕「え?」
鈴木「いやな、俺、この間この力を手に入れて、今日初めて使ったんだよ。でな、ほんの実験に留めとこうとしてな、タイムアウトで勝手に戻るかな?って思ったんだが、なかなか動かない。じゃあ動かそうと思っても、動かし方が分からん。なあ、どうしよ?」
僕「いや、知らねーよ。僕の能力でできるのは止まった時間の中で動くことだけで時間の操作じゃない。あ、けどそれなら適役が。お華さん!」
安芸「はい。何でしょう?」
僕「この時間動かせない?」
安芸「他の人が止めたのを動かすなんてそんな」
ええ……。
僕「じゃあせめて、こいつに時の動かし方を教えてやるくらいは」
安芸「それくらいなら。……では、えーと、鈴木さん、でしたっけ?」
鈴木「おう。鈴木燕ってんだ。よろしくな。で、君は何て?」
安芸「はい、私、安芸華世と言います」
鈴木「それで『お華さん』か。じゃあ、教えてくださいな」
安芸「はい、まず、できると信じます」
鈴木「え、お、おう。それで?」
安芸「そしたら出来ます」
鈴木「お、おう。おお?」
駄目だ、彼女の場合少し特殊だから参考にならない。あれ、これもしかして詰んだまである?
鈴木「時は動き出す!」
動き出したわ。マジか。
鈴木「おお!ありがとう!お華さんや!君は恩人だ!」
安芸「いえいえ。良いのですよ」
まあ、これでハッピーエンドだ。それより僕は家に帰って寝たい。いやここが僕ん家なんだが。
僕「という訳で僕は疲れたんで寝る。解散!」

  • 童謡系能力者がまた何かやってます
  • 乙鳥は燕の別名
  • 時の動かし方が分からないて何やねん
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