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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑫

「なーネロ…」
耀平もあきれたように苦笑いながらネロを見る。
…多分ネロが気まずいのって、さっきのアレかな…と、わたしは思った。
さっき、美蔵とネクロマンサーとコマイヌが遭遇した時。
あの時ネロは状況が呑み込めないのか、固まってたし。
もしかしたらわたしに原因があるのかも…
なんとなくそう思えてきてしまって、ちょっと気まずくなってきた。
でも気まずいからってここから立ち去るワケにはいかないし…聞きたいこともあるし。
これ以上気まずくならないうちに、聞きたいことは聞いちゃった方が良いかもしれない。
そう思って、ネロに尋ねようと口を開こうとした―が。
「…あ、」
何かに気付いたような師郎の声に、わたしは気をひかれてしまった。
「何?」
「あ、いやー、そこの角に何かさっきいたなって」
彼は何か面白いものを見たのか、ちょっと笑いながら駄菓子屋の近くの角を指差す。
「確かに…いた」
黎も何か見たのかポツンと呟いた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • パソコン復旧したのでいつも通りの長さです!
  • 明日からこれとは別の話を書くかも(唐突な番宣)
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