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川向こうのお気に入り

橋を渡って少し歩く
猫の散歩道のような
狭い路地にある喫茶店で
氷の溶けきってしまったコーヒーを
スプーンで攪拌する
店内は空調が効いておらず
茹だるような暑さのなかで
隣のお姉さんから流れてくる煙を
ぼんやりと眺める
苦手な人とかコーヒーの苦味とか
お酒のにおいとかタバコの煙とか
あんまり嫌いじゃなくなった
でもこの蒸し暑さとの相性の悪さは
100年先まで変わらない気がする

  • 最短編小説
  • 夏は苦手
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