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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑱

「え、そりゃ…」
彼らの間に少しだけ沈黙が下りた。
「なんていうか、腐れ縁ていうか…」
「ていうか、前にクラーケンの能力でこっちが被害被って能力の本領発揮できなくて、その原因探ったら知り合ったというか…」
「ま、異能力者のよしみってやつだよ」
師郎はニヤリと笑って美蔵の腕を掴み直す。
捕まえられてる美蔵は何とも言えない表情を浮かべていた。
「はぁ…というか、美蔵の能力って何なの? ネロ達に被害があるってどんな…?」
「え、それ気になる?」
わたしの何気ない問いかけに、美蔵は嫌そうな顔をする。
「アンタも異能力者であることがバレたんだから言えば? 第一コイツに能力使っちゃったんだし」
ネロが美蔵の方を見て皮肉気に笑う。
「う~」
美蔵はがっくりとうなだれたが、すぐに顔を上げて自らの能力について話し出した。
「…僕の”クラーケン”の能力は『他人の視界をに奪う』能力。まぁ”視界を奪って”も、その人が見ている風景を見ることはできないけどね。もっと言うと、『他人を一時的に盲目にさせる』能力とも言えるな」

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