2

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑳

「とは言え、ただの常人さんにただすごいとか言われるのは嫌なんだけど。面倒なこともあるってのに…」
「うう、なんかゴメン…」
なんとなく、わたしは美蔵に申し訳ない気分になってしまった。
異能力を知ってしまった事とか、色々と。
「にしてもさー、ケンジの能力ってホント厄介だよねー」
ふと思い出したようにネロが呟いた。
「ま、そうだよな。他人の視界を奪うから、おれ達の能力実質無効化しちゃうし…」
耀平は苦笑いしながら言う。
「ついでに発光色は紺色だぜ? めちゃくちゃバレにくい色だから、発動しても分かりにくい。視界を奪われても他の異能力者は気配で分かるとはいえ、どこでクラーケンが発動してるか分かんないよな」
師郎は美蔵の方をちらと見て皮肉気に言う。
「だから初めて影響くらった時はあとで軽く倍返しにしてやったんだけどさ」
ネロはちょこっとだけニヤっと笑った。
その視線の先にいる美蔵は、うぐっ、とうろたえた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。