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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ①

「ちょ、ちょっと待ってちょっと待って!」
昼休み、暑いながらもそれなりに人がいる廊下を、わたしは同じクラスの亜理那に引きずられて走っていた。
「とりあえずちょっと待って!」
わたしの必死の叫びをやっと聞き入れたのか、亜理那は立ち止まってわたしの方を振り向いた。
「なぁにサヤカ?」
「何って…」
イマイチ状況を理解していない亜理那に、わたしはちょっとあきれてしまった。
…ついさっきまで、わたしは教室でいつものように本を読んでいたはずなのだ。
だけど亜理那に、ちょっと会ってほしい人がいるんだけどさぁ…いい?と聞かれ、暇だからいいよ、って答えたら…こうなった。
誰かに会うと聞いて、教室出てすぐかな、と思っていたが、教室出てすぐどころか、廊下の突き当りのほうまで移動してきてしまったのだ。
…しかも走って。
走らなければいけないって事は、何か重要なことなのだろうか。
なんとなく、察しがつきそうな気がするけど。
「ねぇ亜理那…一体誰に会うの?」
誰に会うのかまだ分からないから、わたしは尋ねてみた。
「え、それはね~…まだ秘密!」
そう言って亜理那はまだ誰に会うかも伝えず、ただ人差し指を立てるだけだった。

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