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冷房のおかげで暑さは大丈夫でしたが、
人にうなされ、自分にうなされた夏休みでした。
私の人間は、全く完成が見えてきません。
私が遠回りをしているようでなりません。
むしろその場に寝転がって、道楽に興じているに違いありません。
そんな自分は間違っているので嫌いです。
            嫌いです。
          嫌いです。
        嫌いです。
      嫌いです。
    好き、の一滴もなく、
  嫌いです。
嫌いです。
嫌いです。
嫌いです。
すべてが夏の夜の夢であればいい。
暑さにうなされた悪夢であればいい。
しかし生憎、快適な冷房は夏に夢を見せることを許してくれませんでした。
冷えた四肢に、夢や希望が詰まっているとは思えません。
皮膚の下をめぐる血液の中には濃度の高い澱が蓄積されているようで、
起き上がるのにも一苦労。腰を上げるのにも一苦労。
ペンを上げるのだって一苦労なのです。

冷たい血液でした。
夢のない夏でした。
悲しいとは言いません。
私が得たものといえば虚しさだけでしょう。
その虚しさが私のひと夏に蓄えた財産なのです。

こんなものは要らなかった。

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