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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ②

「はぁ…」
「ほら、とりあえず行くよーっ」
亜理那はあきれるわたしに目もくれず、廊下の端にある階段を下り始めた。
まぁ、いっか。このままつっ立ってても意味ないし。
わたしはそう声に出さずに呟いて、彼女のあとを追うように歩き出した。

しばらく階段を下っていくと、亜理那は踊り場のところで足を止めた。
そこには焦げ茶色の髪を1本の三つ編みにした女子生徒が立っていた。
「ハルカ! 連れてきたよ!」
ハルカ、と呼ばれた少女は、わたし達の方を振り向く。
「亜理那…ってその子」
彼女はわたしの姿を見て顔をしかめた。
「なんで不見崎(みずさき)さんが…」
彼女は訝しげにわたし、そして亜理那に目を向け言った。
「アレ? ハルカ、サヤカと知り合いなの?」
「知り合いも何も…」
彼女はあきれたように呟く。
だが亜理那は、どうして彼女がそんなことを言うのか分からないのか、わたしがいる方を振り向いた。

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