「流石にまいたか!?」
「やめろヨースケ。あんまりフラグを立てんな」
ええ見事にフラグです。そんな二人にあの大男がものすごいスピードで突っ込んできました。
「ぎゃっ!」
「うおっ」
「よっしゃぁ……捕まえたぜェ……」
「くそぅ……。やられたー……」
「ヨースケがフラグなんか立てっから……」
「よし、ようやく捕まえたぜ。ちとボロボロになったけどな」
「いやいや貴方、ボロボロというよりグチャグチャですけど……ぅぇ」
ヨースケの言う通り、大男の両脚と右腕はグロ注意な感じでグチャグチャになっていました。
「何、問題無い。俺の能力は『あらゆる事象が己の害にならない』能力だからな」
ところで、痛覚というものは生物への損傷がその生物にとって害になるからこそいち早く危険を察知するために存在するものである。故に危険が存在しない彼には、能力の影響で痛覚が存在しないのです。
「いやそれはどうでも良いんだ。こっちが見てて気持ち悪くなるから何とかしてくんない?」
ヨータローがつっこみます。
「おお。じゃあ俺を家まで運んでくれないか?あいつは多分今日もいる」
「ええ……。それは良いけどさぁ……。ヨータロー、どっちが右側支える?」
「俺は嫌だぞ」
「俺もだよぉ……。あ、そうだ。その『あいつ』とやらをここに連れてくりゃ良いんじゃね?文脈的にお前をどうにかできる奴なんだろ?」
ヨースケの提案に大男もヨータローも感心。
「その手があったか。じゃあ、三組に不登校が一人いたろ?あいつが多分今日も俺の家に居るはずだから連れて来てくれ」
う、グチャグチャって…ぶっ飛んでやがる…