0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ③

「ねぇサヤカ、ハルカとどういう関係?」
「ど、どういう関係って…」
わたしは思わず口ごもる。
別に、彼女との関係が気まずいわけではないが…ただ、関係性をどう言えばいいのかよく分からないのだ。
そうわたしが困っていると、痺れを切らしたのか彼女が口を開いた。
「不見崎(みずさき)さんは私と去年同じクラスだったの」
「え? そうなの!」
それを聞いて、亜理那は目を輝かせる。
「サヤカ、それってホント?」
亜理那はキラキラした目でこちらを見てきた。そしてわたしは、そのキラキラにちょっと圧倒されてしまう。
「ま、まぁ…一応同じクラスだったけど、話す機会なかったし、近くの席になったことはほぼないし…」
「そうね、接触する機会まるでなかった」
彼女はわたしのことを気にせず、スパッと言った。
「あまり目立たないし、おとなしい方だったからそこまで気に留めなかった」
彼女は腕を組みながら階段の壁に背中を預けた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。