雨傘の優しい音をあの少年に 晴れた日の眩しい感覚を彼女に 透明で誰にも内緒の想いを君に 漣の夜風の中の十日余りの月を僕に 傾いた街を 下手に矯正した神様は 主人公とヒロインに 詩的な美しさを 僕に暗がりとのにらめっこを くれたんだって。 今晩の自転車の夜風は、冷たかった。