まぁ、この街は異能力者が多いって言うから、前々から知ってる人が異能力者ってことも全くおかしくないのかもしれない。
「…にしてもさ、亜理那」
2人の会話がひとまず済んだのか、鷲尾さんが真剣な顔で尋ねる。
「何で私に不見崎(みずさき)さんを会わせたの?」
「あっ確かに!」
鷲尾さんの疑問に、わたしもそう思った、とわたしは同調する。
「…えっとねぇ、それはね…」
わたし達の質問に亜理那はちょっと意味深に笑いながら答える。
「サヤカに、”サヤカが異能力を知るキッカケになった人達”を紹介してもらうため」
「は⁈」
予想外の彼女の返答に、わたしは近くの廊下に聞こえてしまうかもしれないような声で叫んだ。
「な、何でそんな事を…」
鷲尾さんもあまりの衝撃に絶句している。
「いや何でって…」
驚くわたし達を見ながら亜理那は申し訳なさそうに言う。
「単純に気になったからいいじゃん」