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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑦

「う…」
「亜理那アンタねぇ…」
あまりにシンプルというか、彼女らしい発言にわたしは言葉を失い、鷲尾さんはあきれたように呟きかけた。
だが亜理那は目の前の状況を気にせず、さらにわたしに向き直った。
「というワケでサヤカ! その人たち紹介して!」
「ちょ、ちょっと待って…」
亜理那の切り替えの早さについていけず、わたしは一度彼女にストップをかけた。
わたしが異能力を知るキッカケになった人達が知りたいのは分かるが、会いたいって言うのは正直想定外だ。
まぁ、彼女の性格を考えるとそこまでおかしくないかもしれないけど。
だけど、なんか紹介しようとは思えない。
ぶっちゃけ”彼ら”を亜理那に会わせたら、わたしの方に色々面倒な事が降りかかりそうだし。
なんとなく危なっかしいからよしたいなぁ…とわたしは自分の中で呟いた。
「…でもさ亜理那」
わたしが色々考えてる中、不意に鷲尾さんが呟いた。
「不見崎(みずさき)さんに人紹介してもらうんなら、私をここに呼ぶ必要なくない?」

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