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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑨

紹介することはできるけど、やっぱり面倒事が自分の身に起きそうな気がした。
うっかりしたら、”彼ら”がわたしから離れて行ってしまうかもしれないし…
でも、頭を下げてまでお願いされてるってなると、断るのもちょっとなぁ…
そう悶々と考えてるわたしの前にいる亜理那は、ふと思い出したように鷲尾さんの方を向いた。
「あ、そうだ、ハルカも加勢してよ。そのために呼んだんだし」
「嫌よ」
「え~何でぇ~?」
亜理那の誘いをすぐに拒否した鷲尾さんに対して、亜理那はさらに言う。
「ハルカは”異能力”の事を常人にバラシてしまった”異能力者”がどこの誰なのか気にならないの~? わたしはこの通りめちゃくちゃ気になってるんだけどさ」
その言葉を聞いて、不意に鷲尾さんは身じろぎした。
「…確かに、それがどこの誰かは気になるけど…」
「でしょでしょ~? それで、目の前にはその直結の知り合い! 誰か聞きだすチャンスだよ!」
ほんのちょっとだけ興味を持った鷲尾さんに、亜理那は番宣のごとく彼女に加勢するよう促す。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 今日もちょっと遅れた…
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