ラムネ瓶のビー玉が落ちるまで、一刹那の夏 僕がまばたきをひとつする間 君はそこに存在していたのだろうか ほんのまばたきの間に 君は脆く崩れ落ちてしまうのではないだろうか 何も離したくない、夏。 この幻はどんなに強く抱きしめていても 僕の手をすり抜けて飛んでいってしまった。 君の破片は軽やかに、こんなにも美しく 粉々に飛び散ってしまった。 僕は夏のたったひとつの残骸を、 碧い海に投げた。