0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑩

「まぁ、そうね…確かにどこのどいつか気になるし」
鷲尾さんはちょっと亜理那に押され気味に答える。
「ほらサヤカ! ハルカも気になるって言ってるよ?」
「ちょ、ちょっと待ってよ…」
確かに鷲尾さんもそう言ってるけれど、本気じゃなさそうだし、わたし的には…
「…無理?」
亜理那はわたしの目を覗き込みながら首を傾げた。
「ぅ~っ」
この調子じゃどう考えてもラチが明かないような気がして、わたしはため息をついた。
そして、この状況をどうにかするためにも、思い切って口を開いた。
「…しょうがない。紹介するよ」
「やったぁ! ありがとう!」
わたしが紹介するよ、と完全に言い終わる前に、亜理那はわたしの手を取った。
「じゃいつにする? やっぱ割とみんな暇な日曜日? ていうかどこにしようか…」
彼女らしいやや大げさ気味な反応にビックリしているわたしを気にせず、亜理那は1人話を進めていく。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。