「亜理那、亜理那」
ふと何かを思い出したように、鷲尾さんは亜理那の話を遮った。
「…もしかしてさ、」
「?」
鷲尾さんは少し間を置いてから話し出した。
「これ私も一緒に行くヤツ?」
それを聞いて、亜理那はあー…と呟いた。
「…いたほうが心強いけど、行きたくないなら行かなくてもいいよ」
「じゃ行くわ」
想定外の返答に、わたしと亜理那はちょっと驚いた。
「…行くの?」
わたしは本気なのかと思わず尋ねた。
「まぁ、ね。亜理那とあなただけでは何か嫌な予感しかしないもの。ついでに”常人に異能力をバラしたヤツ”が誰なのか知りたいし」
…確かに、何をするか予想の付きにくい亜理那は、ちょっと頼りない。
でも冷静な鷲尾さんがいれば、そんな彼女が変な事をしても意外と大丈夫そうな気がした。
鷲尾さんの意志を確認したところで、亜理那は明るく言った。
「じゃあわたしと、ハルカと、サヤカで行くって事でOKだね!」
「あぁ、うん、まぁ…」
「それでいいけど、亜理那、変な事しないでよ?」
「分かってるって!」
わたしや鷲尾さんの心配を気にせず、亜理那はいつものように応えた。