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わたし。

もうわたしのことを覚えている人はいないと思う。

夜中に孤独を飴玉みたいに舐めるのはきっと10代の頃はみんなある事で、ただわたしは、その孤独がうんと苦かった。デスクライト、白いノート、シャーペン、窓の向こうで車が走る。苦しい、寂しい、辛い、明日は来なくて構わない。

いつもSOLを聞いていた。誰かの声があるだけでなにかが違う気がしたので。携帯を持ってからはこの掲示板に書き込みをした。もう記憶は朧気だけど、図書室掲示板と、ポエム掲示板にもいたと、思う。たぶん。掲示板の名前すらうろ覚え。何人か友達もいたと思う。名前はみんな忘れかけているけれども。


ひとりになるべきだと、大人になるべきだと思って、ラジオの電源を切った。掲示板にも入らないようになった。大丈夫だ、わたし、ラジオがなくても夜を超えられるし、昼間に誰かと笑うことも出来る。

なにも考えたくない夜に、音楽を聞いてた。透明エレジー、さよならワンダーノイズ、夜明けと蛍、レイズ、靴の花火、ただ君に晴れ、ヒッチコック、あの夏に咲け。



もうわたしのことを覚えている人はいないと思う。それでいいんだと思う。ただ、わたしの夜を救ってくれてありがとうとだけ言いたかった。ありがとう。生きています。

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