言葉だけ
一人歩いて行く
僕の知らない場所で
けたたましく鳴っては
言葉だけ
一人歩いて行く
さんざ火あぶりにされたあげく
プラットフォームの隅に打ち捨てられ
言葉だけ
一人歩いて行く
独善的な励ましと提言
僕の心とは裏腹な
言葉だけ
一人歩いて行く
せめてこれだけは、と
何時間でも謳い続けるんだ
森ノ宮駅二番ホームのベンチで
そいつは息も忘れたように項垂れていた
飲みかけのコーラをやると
少し舐めて、また気の抜けたような顔で
"ここにしかない言葉"なんて
結局どこにもなかったんだ
自分で書いておいて100字をゆうに越していることに気づく