1

汽車に乗って

混沌とした夢のなかを
ただひとり歩いている
言葉を失って
ただひとり彷徨っている

あって無いようなものを
必死に手探り空回り
嗚呼疲れてしまったな
ふとひとつマッチを擦る

もうずっとずっと昔から
歩き続けて来たさ
死んだ言葉ばっかりだ

墓場に葬られることもなく
屍ばかりが轉がっている

泡沫の言葉を
刹那の歌を
玉響の歪ひずみを

誰そ彼に染まった夢のなか
たったひとり
汽車に揺られている

  • 言葉の旅
  • ショートポエム選手権
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。