朝早く起きて 窓を開けて 秋の風が頰に当たれば それは物語のはじまり いつもの通学路で 塗りたてアスファルトの匂い それは物語のはじまり 久々に会ったクラスメイトの 急に大人っぽくなった姿 それは物語のはじまり 新しく買った短編集の 風の表紙の新品の手触り それは物語のはじまり 何が始まる時、怖くて 消えたくなっちゃうけど 五感 研ぎ澄ませて 小さな変化に気づいたら 勇気を出して心の表紙 めくってみよう 私だけのプロローグ。