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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑮

「…ネクロマンサー」
鷲尾さんは彼女の手にある黒鎌を見て、ぽつりと呟いた。
「え、鷲尾さん知ってるの?」
思わず聞くと、彼女はちょっとびっくりしたように答えた。
「…ま、まぁ、”ネクロマンサー”は”異能力者”の中でも有名な方だし…」
「マジか」
「まぁな。”ネクロ”はかなり強い能力だから、出会った事なくても噂とかで知ってること多いからな。あと異能力者って自分の能力の前の持ち主の記憶引き継ぐから、それで前の持ち主が出会ってたりして知ってるって事も多いし」
”ネクロマンサー”の名が意外にも知られている名前である事に驚くわたしに、耀平がさらっと解説する。
「そうなんだ…てか、ソレどっから出てきた」
そんなものさっきまでなかったよね?とわたしが聞くと、…コレ?と赤紫色の目を鎌に向けながらネクロマンサーは答えた。
「…”具象体”。”異能力”のどんなに引き継がれても変わらない”意志”が具象化したモノ。でもこんなモン出せる奴はごく一部だから勘違いすんなよ」
「…はぁ」
何か彼女にしては難しすぎる言葉の数々に、わたしは圧倒されてしまった。

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  • 投稿遅れてゴメン…
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