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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑰

「…にしてもすごいね」
ちょうどわたし達の中に沈黙が流れたところで、亜理那がひょこっと話に入ってきた。
「”具象体”…わたし初めて見たな、ずっと噂程度にしか聞いてなくて」
「普通、生きているうちに見られるかどうか、ってモノなのよ? コレ常人にも見えるから、例え持っていたとしても出すことなんてめったにないし」
具象体に目を輝かせた亜理那に対して、鷲尾さんは淡々と言う。
「…大体、具象体って大きいし、変なモノのカタチをとるから目立つんだよな。コイツなんて、よく周りに他人がいないところで引っ張り出してるけど、知らない間に見られて”死に神”扱いされるもんな~」
それでこの女に異能力バレたんだろぉ~?と師郎はいつの間にか能力を引っ込めていたネロをからかう。
「ちょ、ソレ言うなよ…」
「あ、そんな経緯で異能力がサヤカにバレたんだ」
うろたえるネロに向かって、亜理那はくすっと笑った。
「何やってんのよもう…」
鷲尾さんはあきれたように額を手で押さえた。
「あの”悲劇”も、こんな風にちょっとした事で起こったのかしら…」
…”悲劇”? わたしは鷲尾さんの言葉にちょっと引っかかるモノを感じた。

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  • 今日は2回も投稿したよ…
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