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ファヴァー魔法図書館 #24

『婚前の段 o:@yP4 ハイカラ少女と古風な婚約者』

法帖は困惑していた。
不信感を持たなかった自分が悪いとはいえ、
妖怪に憑かれるなんて。
それを見透かして覚は言った。
「吾を悪霊の類と一緒にするな。
吾は人に害をなした事はないよ。」

法帖は路面電車を使った。
正確には使わざるをえなかった。

京都の北側に月ヶ瀬家の屋敷はある。
法帖は伝えていた時間の14分前に着いた。
しかし着くなり駆けてくる少女がひとり。
「敦さん!お久しぶりです!私です!ながよです!」
「ながよ。本当に久し振りだな。かれこれ4箇月振りか。寂しい思いをさせて済まなかった。」
ながよは嬉しそうな様子で法帖を屋敷に招き入れた。
なぜながよがすぐ来たかというと、
会うのが久し振りでずっと玄関先で待っていたということらしい。

法帖はながよの母に挨拶を済ませ手土産のカステラを渡した。
ながよもその母も気に入ってくれたようだ。

先刻から覚はずっとそばにいるのだが、ながよにもその母にも見えていない様だった。
覚曰く、邪魔になると思って姿を消しているらしい。
なかなか気が利く妖怪だと法帖は思った。

暫くしてながよが突然気がついた様に口を開いた。
「そういえばね、敦さん。
この家、地下に図書館があるの。
ねえねえ、行ってみたくなぁい?」

まっこと怪しい話である。

To be continued #25↙
『婚前の段 o:@yP5 アンノウンN.E.』

P.S.やっとながよちゃん出せました。
取り敢えず後にも先にもこの子以上の美少女を出す気はありません。
しっかしこんな子を婚約者にする法帖は妬ましい。

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