雨上がりの街路樹に 黄色い絨毯が続いている ふたりは歩く 銀木犀たちに見守られて 9月7日、 駅までの遠い道のりを 初めて一緒に歩いた。 風に吹かれただけで 散ってく恋の花びら 近くじゃないと分からない 君の甘いソノ香り 9月8日、 信号待ちしているあいだ 初めて手が触れた。 君と帰るようになってから 駅までがとても近くて 気まぐれにつけた日記の 数字が早く老けるから 9月9日、 わざと遠回りして 初めて黙って歩いた。