「…話変わるけどさ、」
場が沈黙し切った頃、ネロが思い出したかのようにわたしに向かって呟いた。
「お前…、この2人が異能力者って何で知った?」
ネロにちろと睨まれて、わたしは少しすくんでしまった。
「…えーと、」
一応年下なのにどうして彼女を恐ろしいと思うことがあるんだろう、とわたしは心の中で呟きながら、彼女の質問に答えた。
「なんて言うか、最初に亜理那が言ってきたんだよね。そのあと鷲尾さんも亜理那が”異能力者”って言ってきたし…」
「まぁね! ”ある人”が、サヤカは異能力の事を知ってしまったって言ってて、それでわたしが話しかけてったんだよね~ だからすべての事の発端はわたしって言うかぁ」
「…ホント、私にとってはいいお世話よ」
亜理那ののんきな発言に鷲尾さんがちょっとだけ文句を言った後、ふと何かに気付いたように耀平が言った。
「…”ある人”って、アイツ?」
え、とわたしは目を見開いた。”ある人”って確か…
「…もしかして”情報屋”の事、知ってるの?」
そう聞くと、耀平は知ってるも何も、と返した。