さて、あの二人から逃げた一つ目小僧君だが。
「…一体何だったんだよあいつら……。異能力者だと言ってはいたけど、だったらピンとくるはずだろ…?大体あの双子に会ってから全てがおかしな方向に進んでるんだ。全く、今日は厄日だぜ」
「『あの双子』?気になるな。それについて詳しく良いかい?」
突然、どこからか現れた伏見が話しかけてきた。
「うおわあっ!何でいるんだ!?確かに撒いたはず!」
「いやー、チャチャさんの能力、本当に便利ですね。もう私並みに何でもありじゃないですか」
伏見の後ろから安芸の方も現れた。
「ああ、そうそう、ジッパーの能力。『次元を超える穴を作る』、まあワームホール製造能力と思ってもらえれば」
「おいこら無視すんな!」
「え?ああ、ごめんごめん。で、さあ、話を聞かせてもらおうか」
「ああ、いや、別に、むしろお前らとは居たくないんだが」
「そうかい?けど君は僕らからは逃げられないんだぜ?諦めた方が良いんじゃあないか?」
「……いいや。そりゃあ確かに俺の能力は、手品みたいなしょぼいもんだけどよォ…、これでも異能力者の端くれだ。そして何より、俺は負けず嫌いなんだ。つーわけで、何としても逃げさせてもらうぜ」
そう言った一つ目小僧の両目は、少々不思議な表現だが、『真っ黒に光っていた』。
「黒く光る」…この描写見たとき、似たような光る目の人「ケンジ/クラーケン」を思い出したわ…(ケンジの発光色は紺色)