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世にも不思議な人々51 一つ目小僧その4

「で、どうやって僕ら二人から逃げるつもりなんだい?」
伏見が一つ目小僧君に尋ねる。
「こうする」
そう言って一つ目小僧君が、両手を前に突き出した。
「これが俺の能力だ。まず、手首より先のパーツを『減らす』」
その言葉通り、彼の両の手首から先が消えてしまった。
「次に、そこに肘から先のパーツを二股に『増やす』」
更に手首のあった辺りから、腕が生えてきた。
「これを新しく『増やし』た腕でも繰り返す。手首から先を『減らし』、腕を『増やし』、これを繰り返して、繰り返して、繰り返して、繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して!!!」
そうしてみるみるうちに増えていった彼の腕が、網のように上手いこと絡み合い、伏見・安芸を囲う檻となった。
「どうだ!これで逃げられないだろ!あとは少しずつ腕を『増やし』ながらじわじわと逃げていけば、俺の勝ちって寸法だ」
得意気に言う一つ目小僧君。我らが万能二人組は何も言わずにその檻を見ている。と、安芸の方が口を開いた。
「……こうして見ると、人の腕で出来た檻って、強度云々よりも精神的な面で脱出を阻んでますよねぇ……。隙間から逃げ出せないでしょうか?」
伏見も返す。
「いや、多分そこにまた腕が『増やされる』んだろう。これは見事。なかなかどうして詰みなんじゃあないか?」
そう言っている間にも、一つ目小僧君はじわじわと後退して確実に距離を離している。
「まあ、僕らには関係無いんだが」
ジッパーの能力で、二人はいとも容易く脱出。
「え……嘘だろ……。何なんだお前らは!?」
安芸が答える。
「万能能力者です」
伏見も続く。
「多機能能力者だ」
どうやら一つ目小僧君も観念したようだ。

  • 童謡系能力者がまた何かやってます
  • 人の腕で出来た檻とかちょっとねぇ……。
  • けどこのやり方、腕重くなりそう。
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