「さあ、さっき言ってた『あの双子』について聞かせてもらおうか」
「えぇー、嫌だね、たとえ負けてもお前らのことなんか嫌いだから教えてやんねー」
「安芸ちゃん、ゴー」
「了解!」
安芸がゆらりゆらりと一つ目小僧君に近付いていく。
「え、何、え、ちょっ、待っ、止め、ぎゃあああああああああああああああああ!!!」
「……さて、教えてもらうよ」
「う、うぐぅぅ……、だ、誰が教え」
「安芸ちゃん」
「りょうかーい」
「え、いや、止め、止めて!分かった!話すからさ!あれだけは!あれだけは許せ!」
「さあ話せ」
「あれは今日の昼間のことだった。突然変な二人組が出てきて、『お前の能力はこの次元じゃ異端過ぎる。悪いが消えてもらう』的な発言をしてきて、で、気付いたら周りは夜で知らない場所に居たと。それが事の次第だ」
「わーお語彙力の低さよ」
伏見がからかうように言う。
「うっせ」
「ところで、君のいたところじゃ、能力ってどんな感じだったんだ?」
「異能力者は能力発動時に目が光って異能力者としての別の名前になるんだ。俺のは『ヒトツメコゾウ』。『自分の身体のパーツを増やしたり減らしたりする』能力だ。あと前の異能力者の記憶も受け継ぐ。確かに異端だわな。ってあれ、そう考えると俺をこっちに飛ばしたあいつらはどうなるんだ?」
「気にするなよ。まあ、この次元じゃあ全てを受け入れるから。こっちで楽しくやるが良いさ」