会いたくなくて死んでしまいそうな夜だ 煤けた靴紐にひっかかったままの合言葉 ふとした時に思い出すのが想いびとなら さみしさでできた輪郭をなぞったみたい きみに繋がるすべてが街になってしまう 深夜に駆け込んだ牛丼屋さんの看板とか どこかへ帰りたい気持ちをかかえたまま ベッドに沈んできのうの夢に浮かぶふり 名前のないわたしを小説だけが見ていた