朝から、風が強く吹いていた。
びゅーびゅーと強く風を吹かせて、音を立てて、恐ろしく風を唸らせている。外に置いてあった置物が倒れて、電線がすごい揺れて今にも倒れてきそうなくらい風が吹いている。家の中にいても、その強さが伝わってくる。風が強く吹くと、家がミシミシッと音を立てて少し崩れてきている。今にも壊れそうなくらい強く吹いているから、よりいっそう怖く感じる。夜になっても、風はまだ止まない。風の強さで、一時停電になることもあるから、不安になった。これほど命が危険に感じたことは、熊本地震以来、3年振りだった。僕は長崎県に住んでいて、ここまで台風の強さが伝わったのは、僕が知っている限り初めてだった。早く過ぎ去ってほしい。僕はそう思っている。でも、過ぎ去ったとしても、被害の爪痕は消えることはない。誰にも打ち勝つことができない、これが自然の脅威なのだと、改めて感じた。