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NO MUSIC NO LIFE #9 ワルシャワの夜に

結月視点

玲?いや、まさか。ありえないか。でも、玲もあんな境遇だ。もしかしたら、僕みたいに生き別れの兄弟姉妹がいるかもしれない。一回家に連れてってみるか。「ねえ、結月。わたしね、結月に前に会ったことある気がするの。…結月、覚えてない?」身に覚えはない。「いつ?どこで?それが分かったら思い出せるかも」「えーっとね、三年ぐらい前。わたしが、夜中に公園でうずくまってて、悪いおじさんたちに絡まれてたの。その時、結月に似た子が助けてくれたの。」そんなこともあったような、なかったような。「多分、会ったことあるよ。」そう答えると、「ホント⁉」と満面の笑みを向けられた。その笑みに頷いた。そうすればいつの間にか、面会時間は過ぎていた。

それから一週間。瑠衣が無事に退院して、今日家に来てもらうことにした。まずは、美月と時雨ちゃんに会わせた。「初めまして。中村時雨って言います。」「初めまして、川上美月です。」それから二人は普通に瑠衣と話していた。瑠衣については後で二人にも聞いてみるとしよう。

美月視点

瑠衣さん、だっけ。彼女は何かがおかしい。14歳だというのに、この幼稚さ。何か隠しているのか、それともただの発育過程で異常が起きてしまったのか。それだけだろう。だが、なぜ玲さんに執着するのか。彼女にある、この違和感の原因はきっと玲さんだろう。
「瑠衣さん、お姉さんのことは好きですか?」
「うん!大好き!」
その言葉にもその笑みにも嘘偽りはないのだろう。

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