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鱗雲

"女心と秋の空" なんて言葉
子供の頃はわからなかった
錆びたアパート飛び出したら
その意味を知る時が来たみたい

心模様は空模様
鱗雲みたいに波打ってるだけ
一つも悲しくなんかないわ

くすんだバスに飛び乗って
最後の街並み 見送った
これからは別の人がみるのね
そう思ったら急に暗くなった

心模様は空模様
バスを降りるとそこは土砂降り
傘も持たず 濡れてく瞳

"夜爪を切ってはいけない"と
子供の頃は信じていた
約束交わした小指 深爪したら
その意味を知る時が来たみたい

心模様は空模様
外に出ると 少し肌寒いけど
爪みたいな月が綺麗だったの

  • 3rd 詩集「SEPTEMBER」掲載中!
  • 詳しくは"まとめ"のページまで。
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