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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑥

「“ロヴィン”、ロヴィンね…」
塾からの帰り道、わたしは何気なく昨日聞いたその言葉を反復した。
外はもう薄暗く、雨も降っている。
何となく人名って感じがするけど、誰の事だろう。
まぁきっと、それについて言ってたネロや黎に聞いても答えてくれそうにないけど、とわたしは声に出さず呟いた。
ネロは、は? 別にいいじゃん…て言ってきそうだし、黎はトコトン沈黙し続けるだろうし…
…そういや、なんで黎はあんなにも喋らないんだろう。
まぁああいう人、時々いるから別におかしくないけど。ただ…
「話す気ない、ねー…」
わたしは昨日彼から言われたことを思い出した。
こっちからしたら、かなり刺さる発言だけど…
そこまで言う必要あるかな、と思った。
わたしは確かに普通の人で、“異能力”の事を知ってしまった“例外”、危険視されて、一緒にいるの嫌がられてもも仕方ないけど、なんだかんだで一緒にいさせてもらってるし…
あれ待てよ、とわたしは立ち止まった。
嫌がられても仕方ないし、話す気ないって言われちゃったし…
もしかして。
「わたしって嫌われてる⁇」
わたしは思わず呟いた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • お久しぶりですね
  • 正直に言うと、執筆作業は本調子じゃない…
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