耳障りな声が響く教室の中で、 せめて私の周りだけでも空気を変えようと 大きく息を吸った。 名前を呼ばれた。また、間違えられた。もういい加減私の名前、覚えてほしいもんだ。 誰も見ていないのはわかってるけどついピンっと背を伸ばして表彰台に登る気分で歩いていく。紙を受け取り、くるっと周ってもと来た道を戻る。 あの子と目があった。クシャッっと目を合わせて笑ったあの子。 もう、テストの点数、何てどうでもいいや。他の人なんてどうでもいいや。