「入りたくないし、使いたくない」
ド直球の発言に、わたしは、はぁ、としか言葉が出なかった。
「別に濡れるの嫌じゃないし…」
そう彼はポツンと呟いた。
いつの間にかその目から光が消えている。
「でもそのネコ…」
「…”ロヴィン”」
「え、へ?」
黎がわたしの言葉を不意に遮ったから、わたしは思わず変な声を出してしまった。
「…”ロヴィン”。こいつの名前」
黎は自分の腕の中にいるネコに目を落としながら言う。
わたしは、その様子を見ながらちょっとぼんやりしてしまった。
この間言葉だけ聞いた”ロヴィン”が、ネコのことだなんて…
ていうか、この人ってネコ好きなのかしら⁇
「…家で、飼ってるの?」
何気なく聞くと、まぁ、とだけ彼は答えた。
「暫く行方不明だったとかそっち系?」
「…」
黎は微かにうなずいた。
ふむ、ロヴィンはネコでありましたか。実は僕の中でこのネコがサイレントレイヴンの具象体っていう説がまことしやかに囁かれてたけど、まさかそんなこと無いですよね?
レスありがとうございます!
はははぁ…そんな馬鹿なぁ! ロヴィンはにゃんこですよ。そこら辺にいる普通のにゃんこ。ていうか、具象体が勝手にどっか行くことなんてないですよ(笑) そもそも今、黎は異能力引っ込めてますし。
今日も連載します!