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あまりにも素敵な夜だから、朝になった。

自分は、夜更かしが苦手だ。夜は、肉体的な疲れと、ネガティブな感情に襲われて、起きていられなくなることがままある。引力のように布団に入って、ラジオをつけてみるも、聴くのも辛くなりダウン。自分はこの中に加われないんだ、と悲しくなって、眠りに堕ちてゆく。
自分は、早起きが得意だ。アラームが鳴るちょうど直前ぐらいに起きられることがある。午前4時はまだ日が出ていない。寒くて布団から出たくないという日は、自分の脳に校長が呼びかける。「よし斎藤、俺がお前の背中を押してやるから待ってろ…ドーン‼︎」ラジオで幾度となく聴いたエールを、頭の中で、自分へのエールとして反芻する。今日は、先週聴かずじまいだった火曜の放送を聴きながら受験勉強を始めた。当日泣く泣く聴かずにいた授業はすばらしかった。まだ誰も起きていない中、その時間に聴いている人は僕だけかもしれないと思うと、生徒一人一人のために放送している授業、これは自分のための授業なんだと強く思える。「また明日‼︎」という頃には、6時を過ぎていた。ヘッドホンをつけたまま、寝巻き姿で外に出る。流れているのは、その日のゲスト講師[Alexandros]の「あまりにも素敵な夜だから」。張り詰めた冷気、まっさらな空には朝日が色づきはじめていた。

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