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世にも不思議な人々68 殴る人その2

その日の帰り。
(ふむ、通り魔、か……。凶器は鈍器の類なんだろうな、殴り殺されてたって話だし。ってかあいつはなんで分かってたんだ?あ、あいつなら何もおかしくないや)
そんなことを考えながら、那由多がある街灯の下を通ったとき、向こう側から一人の男が歩いてくるのが見えた。背丈190cmほどの長身だ。
二人がすれ違いそうになったその瞬間、男が殆どノーモーションで殴りかかってきた。
「なっ……!」
那由多は咄嗟に持っていたギターケースを盾のように構え(那由多は普段能力発動のための刃物を全てギターケースに入れて持ち運んでいる)、更に後方に跳ぶことで衝撃を和らげた。しかしその威力は恐ろしく高く、数メートル吹き飛ばされ、ギターケースはひしゃげてしまった。
「誰だお前!まさか!お前が例の通り魔か!」
那由多が何とか停止して叫ぶ。
「何だ、もう広まってたのか?すげすげ」
対する長身の男は楽しそうに応える。そのまま一瞬にして距離を詰めてきた。那由多はその拳を相手の懐に飛び込むようにして回避し、そのまま相手の背後5m程まで滑り込み、再び男に向き直る。しかしそのときには既に、男もすぐ側まで拳を迫らせていた。
「ぬわっ!」
それを仰け反ることでギリギリで躱し、後転しながら距離を取る。しかしそこに男の踵落としが降ってくる。それを横に跳んで回避するも、次は回し蹴りが飛んでくる。
「うおああああああああああ!!!!」
 その回し蹴りを跳んで躱し、続けて飛んできた右ストレートに回し蹴りを合わせ蹴りの勢いで回避する。

  • 童謡系能力者がまた何かやってます
  • なっちゃんが大ピンチ
  • そして当たらないなっちゃん。
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