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世にも不思議な人々69 殴る人その3

いくら攻撃しても那由多に攻撃が当たらないためか、男の方にも焦りが見え始めた。
「うぅわ、こんな攻撃も避けちゃうんだ。すげぇやぁ。だがくたばれっ」
次々繰り出される殴打や蹴りを全てギリギリで避け切る那由多。それもそのはず、元来彼女の身体能力は、速度と技術について常人を遥かに凌駕するものなのである。その能力の全てを回避に費やしているのだから、たとえ能力無しでも、身体強化能力者にも引けを取らないのである。いわゆる『誠刀防衛』だ。それに気付いた那由多はギリギリながらも挑発することにした。
「ッ……どうしたっ、通り魔っ。どうやら、身体能力、の、強化が、お前の能力みたいだけど、まだ能力を、使ってない、ボクに、一撃だって、当てられて、ないじゃあ、ないか!」
男も攻撃の手を緩めずに答える。
「ほお……お前も能力者なのか。しかし、俺を止められないようじゃあ、所詮はゴミだなあ!」
「………あ?今お前、何つった?」
突然、那由多の持つ雰囲気が変化する。
「お前らみたいな人種は、力も無くて現場じゃ何の役にも立たないから、ゴミみたいなもんだっつったんだよ」
その言葉と共に飛んできた拳を那由多は紙一重で躱し、男の勢いを利用してその顔面に飛び蹴りを叩き込んだ。
「ああ…確かに『男尊女卑』ってものはあるし無くならないと思うよ。単純な力は男の方が上なんだから、表じゃそっちの方が重宝はされるさ…。けど真の『男尊女卑』とは!男女の身体的な格差を役割の分担によって補い合うものであり!お前が言うような差別的なものでは断じて無い!お前みたいな奴は今ここで!ボクが裁く!」

  • 童謡系能力者がまた何かやってます
  • きゃーなっちゃん格好良い!
  • まあ、これだけじゃ終わらないんだけどな……。
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