低血圧と朝の弱さに因果関係はないというのが医学界では常識らしい。
果たして本当に関係ないのだろうか。
脳には大脳動脈輪というのがある。
脳への血流を維持するための血管である。
大脳動脈輪の太さ、形には個人差がある。爬虫類なみに貧弱な人もいる。
大脳動脈輪が貧弱だと、脳への血流量のコントロールが大脳動脈輪がしっかりした人と比べ困難となる。
寝起きの悪さには、大脳動脈輪の貧弱さが関わっていることは間違いないだろう。
寝起きが悪い人は頭痛持ちであることが多い。
血流量のコントロールが上手くいかないから頭痛も起きやすいのだと考えられる。
そこに低血圧が加わるとどうなるか。
そういうことである。
低血圧でも、大脳動脈輪のしっかりした人は寝起きがいいのだろう。
大脳動脈輪が貧弱であるということは、遺伝的なものなのか、胎児期の環境によるものなのかはわからないがとにかく、細胞分裂に問題があったということである。
そもそも自律神経に問題があるから低血圧になるわけで、自律神経のバランスが崩れやすいような人は脳にも問題がある可能性が高いから、低血圧だから寝起きが悪いというのはあながち間違いではない。
したがって、寝起きの悪い人はあまり長生きできないと考えられる。
わたしの妻は朝が弱い。
頭痛持ちでもある。
中学を卒業後、食品工場に就職したが、朝起きれないから、と一週間持たずに辞めてしまったそうだ。
それからアルバイトを転々とし、最終的に夜の仕事に落ち着き、足しげく通ってくれる客とつき合うようになり、結婚して、専業主婦となった。その客は、もちろんわたしだ。
専業主婦だが妻は、朝食も弁当も作ったことは一度もない。昼過ぎまで、死んだように眠っている。
朝が弱くなかったら妻はわたしと出会っていなかったわけだから、よしとせねばなるまい。
ちなみにつき合い始めたころ、妻はまだ十七歳だった。妻とわたしは、二五歳違いだ。
妻は家事は必要最小限のことしかやらないのだが、よしとせねばなるまい。