ホルモンの分泌がさかんになる思春期に問題行動を起こす者が多くなるのは誰もが知っているが、問題行動を起こさない者もいる。なぜだろう。
問題行動というのは基本的に男性的な攻撃性に由来するものである。
男性的な行動パターンを示すかどうかは基本的には先天的な男性ホルモンの暴露量に左右されるが、後天的な男性ホルモンの分泌も、男性的行動パターンに少なからず影響する。血中男性ホルモンが脳に作用するからである。もちろん完全に脳が男性化するわけではないから、思考パターンは女性のままである。
男性ホルモンが男性寄りの女性脳に作用すると、女性的な自己防衛心理、排他心理に男性的攻撃性が加わるため、いわゆるいじめ、言語での攻撃につながる。つまり脳と身体のアンバランスが問題行動につながるのだ。
ところで僕は思春期だ。思春期の僕は当たり前のように恋をした。なぜなら思春期だからだ。
で、僕はある日、決心して告白した。相手は同じクラスの同級生。好きになったきっかけは、可愛かったからということもさることながら、趣味が合ったから。まあ、思春期の恋なんて自己同一視の産物だってことはこんな僕でもわかってる。いやどんな僕なんだよ。そんな僕。
彼女の返事はオッケーだった。が、すぐに別れた。彼女は僕と別れてしばらくしてから、一コ上のバスケ部のキャプテンとくっついた。
恋に疲れた僕はいま、塾のない日は、お母さんの家事の手伝いをしたり、お父さんとCSの洋画を見たりして過ごしている。