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憧れと独白と傾聴とその先 #11

 独り言だった。だから、涼花は何も言わなかった。
「それから、部活と全然関係ないことも話すようになったかな。って言っても、中学生の1年生と3年生なんてすごい壁があったから、とりたてて特別な話もなかったんだけどね」
「先輩はそれから悔しさをばねに勉強したりしました?」
 私は笑う。
「そこまでの原動力になってくれればよかったけどね。生憎、なんで悔しかったのかもわからない後輩だったからさ。それでも、夏休みが明けた後のテストは頑張ったな。そうは言っても、できる子はやってるから、あまり上がらなくてね、順位は9位だった」
「例の先輩の言っていたこと達成ですね」
 涼花は少し語気に力が入っている。そんな彼女に笑いかける。
「でも、先輩は1位だった。また、すごいとは言われなかった。あの人にとっては、すごくはなかったんだと今だから思うけどね」
 なんだか少し不満そうに見える涼花も、何も言わないところを見ると、一応納得はしているようだ。
「先輩と、部活とは全然関係ないことも話すようになったってさっき言ったよね。先輩、彼女についても話すようになったんだ。

  • 憧れと独白と傾聴とその先
  • 最後の文章はミスではありません。
  • 次回は台詞の続きから入ります。
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