朱と紺碧が混じるその境目に 夜の訪れが滲み出るとき 誰にも見つからないようにと 小さく歌った君の歌を 確かに僕は聞いたんだ 何もかも諦めた君が 君を諦めないその歌に 調子っぱずれにカラスが鳴いた 夜が来るよと高く鳴いた しばらく窓辺に佇んで 君は僕にふと気づいて その歌をやめると恥ずかしそうにはにかんで きれいだよって僕が言って 同じ歌を小さく口ずさんだ ところまでが僕の幻想