ほんの一瞬の天気雨 すべてが浄化されたよう 目が痛むほどに美しい日暮れ 湿ったベンチにただ独り 一筋の傳う雨 誰もかも消えてしまった 仄かな虹の向こう側に ひとりの虚像を見る 瞬きをしてしまう前に 行く宛もなく 今にも崩れてしまいそう 忘れ去られた停留所にて もうずっと昔に行ったきり 今日も帰らぬ人を待つ