輝くイルミネーションを空目に
猫は満天を見上げた。
余りにも正統派な
大人の恋愛コースに目を閉じる。
「いいなぁ、大人は」
寝転んだ猫はあくびをした。
イルミネーションを観る一組の男女
彼のことが恋愛感情で好きなわけではない。
自分は猫だから。人間に恋などできないのだ。
けれど普通に恋する貴方が眩しくて。
猫は思い出していた。
子猫を抱えた雄猫にすり寄り求愛行動を取る自分
あまりにも醜く見れなかった。
恋が敗れた猫には正しい恋がわからない。
あの大人の男女は
僕の憧れにしよう。
そしていつか
叶わない恋ではなく
叶う恋をしよう。
そしてここで 流れ星を見よう。
イルミネーションは彼らに譲って。