《アカリのこと》
私には、関係ないと思ってた。
一通の招待状
どうしようかな、と2歩3歩あるいて
久々にブーツを出した
ドアノブを回した
木を枯らす氷の風
死んでしまった落ち葉たち
横を走り去っていく車はどこか私を邪魔そうにしている気がして
そういえばこの1年は、そんなことばかりだったな
「ここか。」
道の脇の一軒家
扉には、ベルが付いた緑のリース
おそるおそる、ノックした
「久しぶり!皆、待ってたんだよ!」
テーブルの上のキャンドル
瓶にいっぱいのクッキー
アップルシナモンの香り
オーブンから、鶏肉の皮の焼ける音がする
「それじゃあ、乾杯!」
透明なグラスにシャンメリーの光の粒
花束のような笑顔、笑顔、笑顔があった
そうか、私にも友達がいたんだ。
幸せって何だろう。
そう考えたとき、この光景を思い出すんだろうな。
……
“Christmas PARTY”
ツリーの影に、小さな精霊がいたような気がした