A「気付いたら真っ白で、部屋の中央にある一台のテーブルと一脚の椅子、それから天井の照明とそれのスイッチの他は何も無い部屋に居た。するとそこに、何かを持った男が現れた。男は手に持っていたそれをテーブルに置いた。それは竹細工の浅い籠に入った一つの菓子パンだった。なんとも形容し難い形状をしているが、クリームが乗っていて甘い匂いを漂わせていて、とても美味しそうだ。それを見ていると、男がこう言った。
『貴方はこのパンを食べても食べなくても良いです。ただし、十分後にまた来ますが、一口でも食べられた形跡があれば、貴方の身近の大切な人、もし居なければ貴方の内の誰かが凄惨な死を遂げます。一割以上が食べられていた場合、貴方の家族が全員、貴方も含めて悲惨な死を遂げます。二割を超えた場合、一族郎党その目に遭います。ああ、貴方、学生さんでしたか。三割を超えた場合は、クラスメイトと担任の教師も死にます。四割を超えたら、彼らの家族も。五割を超えた場合、現実に貴方を知っている全ての人間が死にます。六割でネット繋がりの人間やその家族も死に、七割でこの国の全ての人間、勿論私も、死にます。八割でアジア全土の人間が死に絶え、九割を超えた時点で、この星は滅びます。……まあ、信じるか信じないかは自由ですが。それでは、また十分後に』と置いていったパン!」
Q「いや重い上にその想像が怖いわ。お前絶対サイコパスだろ」